研究概要 |
キャビテーション噴流による機械材料表面の耐食性および機械的強度の向上を目的として,キャビテーション噴流による表面改質の実験的研究を行った。得られた成果を以下に示す。 1.キャビテーション噴流による機械材料の表面改質における最適加工時間 設備備品費で購入のキャビテーション噴流実験装置により,種々の機械材料の表面改質を行い,キャビテーション噴流による表面改質における最適加工時間の簡便な推定のために,表面改質される程度と質量揖失の関係を実験的に計測し,質量欠損を生じる始める時間の数分の一程度が最適加工時間であることを明らかにした。また本表面改質法により広範囲を表面改質する応用化に向けて,走査型(キャビテーション噴流噴射時に試験片が可動)試験を行い,表面改質における最適加工速度を明らかにした。 2.キャピテ一ション噴流による耐食性の向上における水質の影響 試料水の水質を変えたキャビテーション噴流にさらした種々の試験片の腐食電位および分極曲線を電気化学的手法を用いて計測し,キャビテーション噴流の水質が,耐食性の向上に影響することを明らかした。 3.種々の機械材料の残留応力改善の実証 キャビテーション噴流を種々の機械材料に噴射し,試験片の残留応力をX線回折法を用いて計測し,残留応力が圧縮に改善されることを実証し,耐食性の向上と同時に機械的強度も向上できる可能性を実験的に実証した。
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