高密度電子部品はんだ接続部が受ける疲労・クリープ損傷について詳細に調べるために、電子部品と回路基板との間の線膨脹差に相当する微小繰り返し強制変位を与えることができる簡易型疲労試験装置を作製した。そして、プリント基板表面実装形はんだ接続部の中で代表的なButt型およびGullwing型実物大模型試験片を用いて、強制変位量±5〜50μm、繰り返し周波数0.001〜5.0Hz、雰囲気温度303〜333Kで疲労試験を行い、疲労き裂発生・進展挙動を明らかにした。さらに、著者らが提案したはんだバルク材に対する寿命評価式と非弾性有限要素法解析とを組み合わせる事により、微細はんだ接続部の疲労寿命をある程度予測できることを示した。これらの研究成果はButt型についてはKey Engineering Materialsの1月号に既に掲載され、Gullwing型については日本学会論文集の4月号に掲載される予定である。現在は疲労寿命予測の精度をさらに高めるため、常微分方程式の境界値問題に帰着させて解くことを念頭に置いた新しい連続体損傷モデルを基に定式化した任意曲線損傷変数法のプログラムを作製しているところである。
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