研究概要 |
本研究代表者が従来取り組んできた非弾性解析手法を基礎として,これを最適設計に適用する手法の確立を目的とした研究を現在行っている.ここでは,任意の設計条件と得られる結果の相関をニューラルネットワークに判断させて,最良の結果を得られる手法を確立しようというものである.これについては,基本的な熱弾塑性問題に適用して,数百の条件での結果の比較から最適条件が得られる段階に至っている.さらに,より少ない条件で最適条件が得られるようにすることを目的として,関係学習と最適化の機能を持つ階層型ニューラルネットワークを統合したシステムを構築し,その最適化問題における効果について,これを先の熱弾塑性問題に適用した検証も行っている.この結果では,関係学習機能と最適化機能を持つ階層型NNの統合でも非弾性最適化問題に対する解法が構築が可能で,またゆらぎを制御するcooling scheduleの繰返し回数に依存しない定義が,統合化NNの推測値と実際の結果の差を基準とすることで可能なことが明らかとなった.実際に熱処理条件の最適化問題に適用した結果では,最適化機能を持つ階層型NNのみの従来の結果と比較して,少ない非弾性解析の回数で最適化が可能であることを示すことができた. 今後は,類似の問題に対しては学習前に条件を推測できるようなエキスパートシステム化を行う,さらに複雑な非弾性問題への適用を図る,等を計画中である.
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