平成9年度は、伝達関数の位相差を利用した検出法を確立することが主な目的であった。以下に今年度の成果を具体的に記す。 ◎枚数とセンサの伝達関数の位相との関係から、最適周波数を求めた。 ◎枚数による、特定周波数のセンサ入出力位相差の環境変化による影響が明らかになった。 ◎シートの移動がセンサ出力の時間波形に及ぼす影響が明らかになった。 ◎上記から、シート移動時の枚数による時間間隔の変化がさらに明らかになった。 ◎伝達関数法により布などの種々の材質のシートの特性インピーダンスの実測法を確立した。 以上から、当該年度の目的は達成され、位相差による測定が可能であることが明らかとなった。 論文等の実績に関しては、音響系の伝達関数を利用したセンサの研究において、静止状態の布について得られた成果の一部が日本機械学会論文集に1編掲載された。(裏面[雑誌論文]の2番目)また、本研究に関連した位相差を利用して加工物の形状測定を行う内容の論文が掲載され(裏面[雑誌論文]の1番目)、この内容の学会講演に対して、平成9年4月に日本機械学会優秀講演論文賞が授与された。
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