研究概要 |
(1)幾何学的キャリブレーションにおいて,出力誤差関数を局所的に線織曲面近似することにより,実時間計算量を軽減できる手法を提案し,正方形の局所領域の例において,パタメータ同定と線織曲面近似による補正を併用することで約60%の精度の向上を確認している.さらに線織曲面近似を適用する際Chebyshev Spacingにより教示点を定めることにより,教示点数を増やさずに,2次曲面近似を行ったときとほぼ同程度の精度が実現できることをシミュレーションにより確認した. (2)幾何学的パラメータと力学的パラメータ(機構コンプライアンス)を同時に同定する場合に,同定ヤコビ行列のランク落ちの問題が発生しやすくなることを指摘し,それを回避するため,負荷による手先の相対変位を用いて,幾何学的パラメータとは独立に機構コンプライアンスを同定する手法を提案し,その有効性をシミュレーションにより確認するとともに,新たに平行四辺形リンクを有する閉ループ形マニピュレータを製作し,その有効性を実験的にも確認した. (3)力学的パラメータである機構のコンプライアンスを同定する際,手先作用力の最適方向として,コンプライアンス楕円の長軸方向を採用することにより,コンプライアンス同定ヤコビ行列のCondition Numberを最小とする作用力方向に力を加えた場合より,コンプライアンスの同定精度が向上することがわかった.
|