研究概要 |
ホログラフィの基礎実験を行うために必要な実験装置を製作した.1枚の金属定盤の上に,レーザ,ビームエクスパンダ,ミラー,乾板,測定物体を置けるようにしたものであり,測定条件に応じて配慮を変更した.この装置で撮影を行った結果,Nd-YAPレーザの閃光時間が8nsecと極めて短いため,1回の閃光撮影を行うのであれば,周囲環境,建物から生じる振動はホログラムには余り影響しないことがわかった. このNd-YAPレーザで,物体光,参照光の関係と,乾板の感光時間について調べた.その結果,Nd-YAPレーザは閃光時間が極めて短く,高速運動する物体を捉えるには十分な光源であるが,ホログラフィに通常使用される乾板の感度が極めて低いため,1回の閃光で像を得るためには,かなり小さな物体しか撮影できないことがわかった.乾板ではなくフイルムであれば充分撮影が可能であるが,銀粒子径が大きいため細部にわたる観察は困難であることもわかった,そこで乾板を用いて,どこまで小さな物体が撮影できるかということを現在調べている. このレーザを多数回閃光させた時の静止物体の撮影を行った.その結果,ネジ,ベアリング,針は本来の形が推測できる程度までの撮影が可能であるとの結果を得た.これを気泡に応用すべく,ガラス板の間に挟んだ直径0.2mm程度のガラス玉を撮影し,奥行き方向のデータについてもホログラムに保存され,再生できることを確認した.
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