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1998 年度 実績報告書

極限環境下における極低温混相流体の非平衡流れに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09750174
研究機関東北大学

研究代表者

石本 淳  東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10282005)

キーワード低温流体 / 混相流 / キャビテーション / 液体ヘリウム / 液体窒素 / 気泡 / 沸騰 / 数値解析
研究概要

低温流体沸騰二相流を用いた応用機器開発のための基礎研究として,極低温流体気液二相流動特性の二次元的解明を目的とし,二次元水平ダクト内における液体ヘリウム沸騰二相流に関して,超流動性を考慮に入れた数値解析的検討を行い,以下の知見を得た.
(1) 液体ヘリウム沸騰二相流におけるボイド率分布ならびに圧力分布の時間発展解を数値的に求めることにより,液体ヘリウムの超流体としての性質は,二相流動場の圧力分布の変化に起因する物性値の変化と,相変化の過程で液相から蒸発潜熱が奪われ混相流体温度がλ点以下となることにより生じることを明らかにした.
(2) 液体ヘリウムに特有の超流体としての性質が混相流中に生じると,オリフィス部より下流側において圧力こう配が変化し,高ボイド率領域がダクトの全領域にわたって散在する分布となって現れることを明らかにした.
(3) 液体ヘリウム二相流中の高ボイド率領域においては常流体蒸気相への相変化に基づく超流動性の影響が大きく現れ,超流体混相流の常流体混相流に対する対向流が発生するため双方の流速分布に差異が生じ,超流体の対向流がオリフィス後流渦の発達を抑制する効果となって働くことを明らかにした.
さらに,液体窒素管内沸騰二相流の可視化計測装置を設計・試作し,PIV法を用いた流動場の二次元的計測を行い,低温流体の相変化速度が常温流体のそれよりもかなり大きいことを確認するとともに,管軸方向の二相圧力・温度分布を計測し,低温流体二相流動場の基礎流動特性に関する詳細な知見を得た.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 石本淳: "液体ヘリウムの沸騰二相流に関する二次元数値解析" 日本機械学会論文集(B編). 65. 482-489 (1999)

  • [文献書誌] 石本淳: "液体窒素の気液二相流動特性に関する数値解析" 日本機械学会論文集(B編). 64. 1741-1747 (1998)

  • [文献書誌] Jun Ishimoto: "Numerical Simulation on Boiling Two-Phase Flow of Liquid Nitrogen" Proceedings of The International Symposium on Computational Technolo-gies for Fluid/Thermal/Chemical Systems with Industrial Applications,Joint ASME/JSME Meeting. II. 219-225 (1998)

  • [文献書誌] 石本淳: "液体ヘリウム沸騰二相流の数値シミュレーション" 流体科学シンポジウム(SCFS'98)講演論文集. 67-72 (1998)

  • [文献書誌] Tomoyuki Hashimoto: "Rotating Cavitation in Three and Four-Bladed Inducers" AIAA 97-3026,presented at the 33th AIAA/ASME/SAE/ASEE Joint Propulsion Conference & Exhibit. (1997)

  • [文献書誌] Jun Ishimoto: "Wave Propagation in Boiling Two-Phase Flow of Magnetic Fluid under a Nonuniform Magnetic Field" Nuclear Engineering and Design. 175. 87-96 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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