本研究は、超音速ディスク型プラズマMHD発電機の高性能化を目標とし、光学計測と数値シミュレーションにより、ディスク型MHD発電機内に発生する非平衡電離衝撃波の構造の解明とモデル化、ならびにその制御を行い、さらにはMHD発電システムの高精度な性能予測を行うことを目的とする。本年度の主な成果は以下のようにまとめられる。 (実験的研究) 現有の衝撃波駆動MHD発電流路により、高速度カメラ(現有)と分光装置(現有)による線スペクトルと再結合放射光の測定により、従来ほとんど計測のなされていなかったMHD発電流路ノズル部で発生する衝撃波の構造の実験的解明を行った。さらには、磁場下でのスロートとノズル内での全圧、静圧の測定と電子温度、電子数密度の偏光ラインリバーサル法による光学計測を行った。実験データのさらに詳細な分析とシミュレーションとの比較を現在行っている。 (理論的研究) 現在改良が進められている超音速放射状流れのTVD法を利用したMHD発電機性能予測の計算コードを発展させ、新発電機の設計時の高精度性能予測を行った。結果として、アルゴンを作動流体とする三種類の発電機に対して、ほぼ満足のいく性能予測を可能とした。また性能向上のための方策(スワールの導入、印加磁場分布の最適化法)を提案した。しかしながら、運転条件によっては発電機内部で電離不安定性が発生し、準一次元の性能予測では限界がある。そこで二次元の数値解析コードを発展させ、非平衡プラズマ内で発生する三種類の放電パターンの発生条件を求めることができた。来年度は大型ブロ-ダウン装置(FUJI-1)の性能予測や三次元数値解析に取り組む予定である。
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