本研究では、HFC134aの細管内での沸騰・蒸発熱伝達機構、およびその流動特性を明らかにすることを目的として、蒸発熱伝達および流動様相の可視化を含む流動特性実験を行っており、今年度は以下の成果を得た。 (1)純冷媒HFC134aの細管内単相圧力損失の実験を行った。管摩擦係数の測定値は従来の式よりも大きな値を示した。 (2)純冷媒HFC134aの蒸発圧力損失実験を行った。単相実験で得られた管摩擦係数を深野らの二相圧力損失の式に代入して見積もられた圧力降下は本実験結果とよく一致した。 (3)純冷媒HFC134aの細管内における沸騰・蒸発を伴う気液二相流の流様相の可視化実験を行い、実験結果を修正Baker線図上にプロットしたが、データは線図の流動様式区分とは一致しなかった。しかし、流動様式が従来から空調機に用いられている管内径6〜8mm前後の管に比して低いクォリティで遷移することが確認された。 (4)純冷媒HFC134aの細管内における沸騰・蒸発を伴う気液二相流の流様相の可視化実験を行い、実験結果をDamianides-Westwaterの管内径1mmの空気-水系の流動様式線図上にプロットしたが、データは線図の区分と一致しなかった。
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