研究概要 |
マイクロフローム(以下、MFと略す)を基礎燃焼工学的な観点から研究することは、分子拡散作用による燃焼メカニズムを理解する新しいアプローチとなり、現況の数値燃焼解析能力と相互刺激することにより、微視的な領域での燃焼メカニズムが解明されるだけでなく、新しい知見が得られる可能性を秘めている。また、MFを医用工学にまで発展させることは、MFの持つ学術的な守備範囲を広げるだけでなく、多様な火炎の活用方法を生み出す原動力となる。さらにMFの基礎燃焼特性だけでなく医用工学的な観点から観察することを試み、特に、消化器系を対象に喉内から食道・胃・腸管に至る各部位の体内でMFを燃焼させることの意義とその可能性を検討した。本報では、体内燃焼における熱工学的な活用を具体的な課題から検討するために、MFの下限レイノルズ数付近での、熱源となる火炎領域の空間状態を直接撮影法により静止カメラとCCDカメラで可視化し、必要に応じて同時撮影を試み、MFを体内で燃焼させるために、0.8x0.3x1000mmの銅パイプを製作し、水平設置されたマイクロ火炎の火炎領域の空間状態とCHラジカルの燃焼工学的な観察を行った結果を示す。 1) 消化器系(喉内・食道・胃・腸管)に挿入可能なマイクロバーナを製作し、メタン燃料によるマイクロ拡散火炎を形成できることを示した。 2) マイクロフレームの水平設置に対する火炎の空間的な状態を把握し、熱源としての火炎領域の特性をCHラジカル分布より静止カメラ,CCDカメラ直接撮影を行い、その空間特性を明らかにした。
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