研究概要 |
本研究は,非正弦波2相型PLLを用いた高精度変位検出システムの開発及び高精度位置決めサーボ機構への応用により井正弦波2相型PLLの有用性を明らかにすることを目的とし,本年度では,非正弦波2相型PLLを用いたエンコーダの高精度高分解能の内挿について研究を行った.そこで,非正弦波2相型PLLのシミユレーションによる解析および実験による解祈を行い,非正弦波2相型PLLの特性を調べた.その結果に基づき非正弦波2相型PLLを用いたエンコーダの内挿器を設計し,試作を行った.非正弦波2相型PLLを用いたエンコーダの内挿実験を行い,以下の結果が得られた. ・井正弦波2相型PLLはノイズに非常に強く,高速性にも優れる. ・非正弦波2相型PLLを用いてエンコーダの出力が精密の正弦波でなくても,高精度高分解能の内挿が行える. 井正弦波2相型PLLを用いた出力が精密な正弦波ではない低価のエンコーダを内挿するために,内挿器にエンコーダと同じ波形を発振することが必要である.しかし,エンコーダの出力波形を検出するには超高精度エンコーダを用いた従来の方法は使用できないことが実験で分かった.そこで,本研究では,繰返し学習方法によるエンコーダの出力波形の精密の検出を行った.実験では,その有効性が確認された. 以上の結果から,非正弦波2相型PLLが出力波形にひずみを持つ低価の高精度の内挿に非常に有効であることが分かり,次年度では,開発した非正弦波2相型PLLを用いた内挿器を精密サーボ機構への搭截を行い,その有効性を確認する.
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