研究概要 |
1.形状可変三次元トラス構造がその可動要素の制御量を与えて姿勢を変更するとき,可動要素数が多いと各節点の位置や全体姿勢を把握すること自体が複雑かつ困難となる.この問題に対して,各瞬間での位置関係を微分幾何学的に記述し,かつ三次元適応構造の挙動応答を運動学的に解析する有限要素モデルを構築することに成功した.また,この基本モデルを用いて数値シミュレーションを行い,その有効性についても検討した. 2.分散型の処理機械であるセルラ-オートマトン(CA)を構造最適化に利用することを考案し,CAの最適化には探索能力に長けている遺伝的アルゴリズム(GA)を用い,関数パラメータを染色体ヘコーディンクし,その目的に応じて進化させ,最適なCA(:進化的CA)を自動的に測り出す手法を確立し,より進化的なアルゴリズムを開発した. 3.1で開発した有限要素モデルを介して,2により創り出された進化的CAを用いて自律分散型制御則を進化的かつ自動的に生成するアルゴリズムを開発した. 4.一端を支持され,他端に作業負荷を受ける適応トラスモデルを対象に,数種の位置,方向の静的負荷(作業負荷ベクトル)を初期条件として与え初期姿勢から出発して,3で獲得された自律分散型制御則を適用して,自動的に最終姿勢に至る.この間の全ひずみエネルギは初期段階で速やかに減少しており,最終姿勢は,初期姿勢に依存することなく何れも最適姿勢に非常に近い姿勢となった.さらに,制御エネルギも最小エネルギに極めて近く,これは本研究で開発した自律分散型制御則の有効性が確認できたことを意味している.
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