研究概要 |
1.スロッシング(液面振動)モデルの構築 以下に示す簡易スロッシングモデルを構築し,制御系設計に用いた. (1)球面振子型スロッシングモデル:円筒タンク内の液面振動は(1,1)モードが支配的である.すなわち,液面がフラットなまま振動および旋回挙動を呈する.このモードを表現し得る球面振子型モデルを構築した. (2)回転系単振子型モデル:(1)で構築した球面振子型モデルは,液面振動が微小であるときはx,y軸まわりにそれぞれ振動する単振子の合成で表すことができる.よってx,y軸周りに液体タンクを傾ける場合は,単振子にタンク回転による駆動力が加わると考えてモデルを構築すればよい.したがって,この回転系単振子型モデルを構築した. 2.制御系設計および制御結果 以下のように,搬送系と回転系を独立に考えて制御系を設計した. (1)搬送制御系:曲線軌道におけるスロッシングも液面振動が微少な場合は単振子型モデルと見なすことができる.すなわち,進行方向のスロッシングのみを考えれば,それは直線軌道搬送と同様に扱える.したがって,液面振動抑制を考慮したフィードフォワード入力をPereshaping法を用いて算出し,フィードバック部を最適レギュレータ系により構築した2自由度制御系を構築して曲線軌道搬送制御を行い,制御シミュレーションおよび実験において良好な結果を得た. (2)回転制御系:タンクを搬送させずにタンクを回転させた場合について,搬送制御系と同様の2自由度制御系およびH∞制御系により良好な制振制御結果を得た.
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