研究概要 |
本年度実施した研究とその実績は下記のとおりである. (1).遺伝アルゴリズム(GA)を用いたSAC系設計パラメータの最適調整法の構築 1.SAC系の設計パラメータを遺伝子符号化する方法を提案し,単純GAにより優秀な制御性能(特に過渡特性)を発揮するパラメータの自動調整が可能となることを確認した. 2.計算機制御に適した離散時間形式による状態フィードバック型SAC系の構成を走行クレーン系と相似な動特性をもつ液体搬送系(1入力2出力系)に適用し,制御手法の有効性を確認した.(日本機械学会論文集(C編),Vol.62,No.611,Proc.of the IEEE SISCTAにて報告.)また,設計パラメータの自動調整を上述の遺伝アルゴリズムによる方法によって行い,良好な制御性能が得られることを数値シミュレーションにより確認した. 3.さらに,クレーン系への適用を検討し,数値シミュレーションによって,クレーン系の物理的なパラメータ変化(荷の質量およびクレーンロープ長の変動)に対して制御性能を維持する設計パラメータの調整が可能であることを確認した.(熊本県産学官技術交流会講演論文集および日本機械学会九州支部学生会卒業研究発表講演論文集にて報告.) (2).2自由度クレーン実験システムの製作 平面内移動可能な走行台車型2自由度クレーン実験装置を製作した. (3).今後の研究展開 2自由度クレーン実験への適用およびクレーンロープのフレキシビリティに対する対応策を検討する.
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