本研究では、マイクロマシン作製のためのキーテクノロジーとなる3次元超微細加工技術の実現を目標とし、提案する“ナノ計測一体型超微細加工システム"の開発を行った。得られた成果は以下のとおりである。 1. ダイヤモンド薄膜のマイクロマシニング技術の開発 ダイヤモンドAFMプローブを作製するための基礎研究として以下のマイクロマシニング技術を開発した。 (1) ダイヤモンド薄膜の微細パターン形成技術 基板の欠陥密度を制御する選択成長法によって5〜10μmのライン&スペースをもつダイヤモンド薄膜の微細パターンニング技術を確立した。 (2) ダイヤモンド薄膜の基板分離による可動部品形成技術 SiO_2薄膜およびTa薄膜などを犠牲層として利用することによって基板から分離したダイヤモンド薄膜の可動部品形成技術を確立した。 (3) ダイヤモンドの3次元微細構造体形成技術 異方性エッチングによって形成したSi基板のモールド上にダイヤモンド薄膜を成膜し、最終的にモールドをエッチング除去することによって、ダイヤモンド製の3次元微細構造体形成技術を確立した。 (4) ダイヤモンド薄膜の接合技術 ダイヤモンド構造体をベースとしたデバイス作製に不可欠な接合技術を確立した。インサート材料としてアルミニウム薄膜を用いることによってダイヤモンド薄膜とパイレックスガラスの陽極接合を可能とした。 2. ダイヤモンド製AFMカンチレバーの開発 (1) 上記のマイクロマシニング技術をベースとしてダイヤモンドAFMプローブの作製プロセスを開発した。 (2) 作製したダイヤモンドプローブによってAFM計測が可能であることを確認した。 (3) ばね定数500〜1000N/mのダイヤモンドAFMプローブによってPt薄膜の加工を行った。
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