本研究では、張り合わせによる3次元集積化技術を用いた3次元積層構造を有するリアルタイムロボットビジョンシステムを開発することを目的として、その基本回路の設計と製作技術の開発を行った。本システムは、お互いに異なる処理機能を持つ多数の2次元LSIチップが3次元的に積層され、上下の層間に設けられた高密度の垂直配線を通して多量の2次元データを同時に伝送することが可能である。これによって、光検出、信号の増幅及び変換、画像データの処理などが同時並列的に行われる。このシステムは8×8画素を1つの単位システムとして、その単位システムを多数並列に並べることで入力画像のスケールに対応している。処理機能としては、画像問の相関演算を行うことによって、マッチング、オプティカルフロー生成などの基本機能を持たせている。そのための基本回路をデザインシステムを用いて、ロジック設計、回路設計、レイアウト設計という段階を踏まえて行った。また、同デザインシステムを用いてそれぞれの段階でシミュレーションを行い、その基本動作を確認した。
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