研究概要 |
本研究では,21世紀初頭に想定される月・惑星の無人探査を行いうる遠隔支援型の自律走行ローバーに間する基礎研究を行う.ローバーのハードウェアテストベッドとそれに対応する力学シミュレーションおよびグラフィクスモデルを用いて,月・惑星上の不整地における走行ダイナミクスおよび地球とのロミュニケーションがきわめて疎である環境において実際に機能しうるテレオペレーションの技術を明らかにすることを目的とする. 本年度は,本研究の核となるローバーの八一ドウェアテストベッドを製作し,実験環境を整備した.ハードウェアとしては,不整地走行性能が高い6輪連節車輪走行ロボットを採用し,全長およそ1mのローバーテストベッドを製作した.同ロボットの上には,マルチプロセス,マルチタスクが可能で,リアルタイム割り込みが可能なRealtime‐Linux OS を採用したボード型PCを搭載した.また,ダイナミクスシミュレーションをおこなうためにMatlab言語をもちいてシミュレーション解析ソフトウェアを開発した.同プログラムでは,多節リンク系である車体のダイナミクスおよび各車輪におけるタイヤの力学関係をモデル化し,車輪駆動速度とタイヤに関する力学パラメータが与えられれば,ローバーの走行状態をシミュレートすることが可能である. 開発したハードウェアテストベッドを用いて基礎的な走行実験を行いタイヤの力学パラメータを同定し,シミュレーション解析により走行のダイナミクスをほぼ正確にシミュレートできることを確認した. 上記に開発されたシステムを用いて,テレオペレーションの研究を行うことが次年度の主要課題である.
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