本研究の直接的な目標は、柔軟なバンパー「TUMBLER」を、移動ロボット「山彦」のシステムに統合することである。間接的な目標は、複数ロボットが存在する、頑健な環境を構築することと、移動ロボットの協調を実現することである。 特に、以下の研究を行った。 1)機械的な機構を改良した。サイズを大きくし、ロボットの下端からほぼ上端まで覆うようにした。 2)ロボット間の中心からずれた衝突におけるロボットの振る舞いを調べた。この際の反応を「パッシブレスポンス(受動的反応)」と呼ぶことにする。なぜなら、単純にサーボのスイッチを切ることで、ロボットは、衝突時の力によって互いに離れるように方向を変えるからである。 3)アクティブレスポンス(能動的反応)を行うシステムを開発した。ロボットは、衝突直後の本体の並進速度と回転速度を直接測定し、これらの速度を維持するように努める。このような行動をとることによって、中心からずれた衝突の後でも、ロボットが停止しないで動き続けることが可能になる。 4)ハイブリッドな衝突回避システムの概念を考案した。これは、バンパーを用いた衝突回避と(時間的な制約条件を用いた)時空間衝突回避の2種類の方法から成り立っている。 これらの結果は、1998年に開催されるIEEEの国際会議であるRobotics and Automationの予稿集に掲載される予定である。また、1998年に開催されるIEEEと日本ロボット学会共催の国際会議であるIntelligent Robots and Systemsにも論文を提出中である。
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