複雑な情報管理を必要とする生産システム内で、工作機械の自律分散化をはかり、円滑な生産活動を行うための検討を行っている。平成9年度は、自律化と分散化の観点から以下の検討を行った。 (1)工作機械の自律化 オープンアーキテクチャCNCコントローラを搭載したCNC施盤に、ワークステーションを組み込み、従来の機械加工の機能に加え、高度な情報処理を行うことを可能にした。自律型工作機械の頭脳に相当するワークステーションは、インターネットに接続されているため、工作機械の内部の情報処理だけでなく、外部の機器とも情報交換・処理を行うことが可能である。 本年度は、自律工作機械の基本的な構造を明らかにするとともに、具体的な行動例として、工作機械の熱変形による加工誤差に対する補正制御を行い、有効性を確認した。 (2)工作機械の協調アルゴリズム 工作機械の協調に関してスケジューリング問題の検討を行った。本年度は、集中管理機構を必要としないスケジュールアルゴリムの検討を行った。本年度は、機械のとる動作が他の機械のスケジュールに与える影響に関して分析を行い、分析結果に基づきスケジュールの近似最適解を求めるアルゴリズムを開発した。開発したアルゴリムの有効性は、計算機シミュレーションにより確認した。
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