研究概要 |
本研究では四輪型(前輪操舵,後輪または前輪駆動型)の車両が低速で動作する場合の自動運転技術に関連して,特に車庫入れ運転の自動化のための動作制御手法を開発することを目的とした.具体的には自動車のステアリングと駆動のための速度制御はサーボメカニズムにより制御できるとし,車庫付近の車両の任意の位置・姿勢から車庫内部に後ろ向きに車両を駐車させるためのステアリング操作履歴を計画し,これに基づいた制御手法を確立することを目的とした. 本年度は前年度に開発した車庫入れ動作計画手法を用いて,現有の四輪型モデル車両による動作制御実験をおこなった.この結果,実際の実験システムにおいてはCCDカメラと画像処理よる車両位置の測定誤差,車輪と接地面の滑りによる,指令値と実際の車両の移動量の差など,さまざまな誤差により,オープンループに基づく制御では車庫入れ動作に失敗する場合があることがわかった. そこで,車庫の特定場所に取り付けたマーカを検出する目標方向検出センサーシステムを開発して,CCDカメラによる車両の現在位置情報と車両から見た車庫の方向情報により車両の現在位置・姿勢の測定精度と測定の速度を向上させることができた.(次ページの3番目と4番目の文献において成果公表.) 上記のセンサシステムによる車両の現在位置情報を用いて,車両移動中に適当な時間間隔で現在位置を修正することで,車庫入れ動作制御の性能を向上させることができた.このとき,最初に計画した目標軌道により車庫入れ動作に要する時間がかなり異なることから,前年度開発した動作計画手法により得られた経路の最適性を最適制御理論を用いて検討した.(この成果は次ページの1番目の文献で公表.)平成9年度,平成10年度を通じて検討,開発した四輪自動車の自律車庫入れ制御システムの概説を次ページの2番目の文献において公表した.
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