研究概要 |
高効率交流電動機として広く普及している突極形ブラシレスDCモータの回転子位置センサレス制御の零速度を含む低速度制御法について以下の点を明らかにした。 1.低速度駆動時のセンサレス制御法のために巻線インダクタンスの位置依存性に基づいた位置推定アルゴリズム導出した。 (1)二軸理論に従い,位置推定誤差が存在する場合の突極形ブラシレスDCモ一タの数式モデルを導出した。 (2)瞬時的に大きな電圧ベクトルをモータに印加したときの電流応答と位置推定誤差の関係式を導出し,電流応答に基づいた回転子位置推定アルゴリズムを提案した。 2.制御系設計のための印加電圧ベクトルと位置推定精度の関係を明らかにした。 (1)大きな印加電圧により電流が変化するが,この電流変化によるトルクリプルを引き起こさないための印加電圧ベクトル方向を明らかにした。 (2)位置推定精度は印加電圧ベクトルの大きさに反比例することを理論的に示した。さらに,電流の検出ノイズおよび電流推定精度の測定から,設計仕様として与えられる位置推定精度を満たす印加電圧ベクトルの大きさの設計式を導出した。 3.1.5kW,1500rpmの供試電動機による低速度駆動の実験を行い,提案法の有効性を明らかにした。 (1)±100%負荷トルクの範囲で零速度を含む低速度時の安定な駆動を実現した。 (2)平均位置推定誤差2degの低速度駆動を実現し,0rpmから50rpmへのステップ速度指令に対しても安定な速度応答が得られた。 今後は,実用化に向け,磁気飽和の位置推定精度への影響,モータの温度上昇特性を明らかにすると共に,モータ構造からみた提案方式の適用条件を明らかにする。
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