研究概要 |
本研究の目的は,高効率化,電磁ノイズの低減と高信頼性の両立が実現可能な無効電力補償装置に適したソフトスイッチング技術を開発することにある。平成9年度には,4段多重電圧形インバータを採用した無効電力補償装置(10kVA)を試作して,転流コンデンサの放電(零電圧)を検出してスイッチング素子を動作する新しい制御法を開発し,転流コンデンサ容量と電圧・電流の上昇・降下時間,スイッチング損失について実験により検討した。 平成10年度は,無効電力補償装置の起動時にも転流コンデンサを短絡しない,ソフトスタート制御法について検討した。前年度に開発し光ディジタルシミュレーションを改良し,ソフトスタート制御法を開発し,転流コンデンサ容量と起動時間・起動抵抗の関係を明らかにした。ディジタルシミュレーションの結果を元に,ソフトスタートを行うための制御シーケンス回路を開発し,実験によりソフトスタート制御法の動作原理を確認した。制御シーケンス回路にはDSP(Digital Signal Processor)を用い,転流コンデンサ端子電圧検出回路と接続して実験を行った。その結果,無効電力補償装置の起動時にも転流コンデンサを短絡しない,ソフトスタート制御法の妥当性を確認し,転流コンデンサ容量と起動抵抗の設計指針を明らかにした。
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