本研究では、誘導型パルスパワー発生装置を軟X線源として注目されているガスパフZピンチに適用して高効率のコンパクト軟X線源を開発することを目的とする。今年度は、ピンチプラズマの収縮時の挙動を観測するとともに、Zピンチプラズマモデルと誘導型パルスパワー回路を組み合わせたシミュレーションによりZピンチプラズマの挙動解析を行った。以下に得られた主な結果を示す。 1.ピンチプラズマの空間分布は、ファーストバンク方式ではピンチプラズマは径方向への分布が著しく、パルスパワー方式では軸方向への分布が顕著である。このことは、軟X線源としてガスパフZピンチを利用する場合に重要な結果である。 2.ピンチプラズマの収縮過程を高速度カメラを用いて観測した結果、ファーストバンク方式ではプラズマの収縮時に生じる不安定性としてキンク不安定が支配的であり、パルスパワー方式では、ソ-セージ不安定が支配的であることを見いだした。 3.ガスパフZピンチの解析モデルを用いたエネルギー変換効率の計算から、高速大電流減として誘導型パルスパワー発生装置の有用性を示した。
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