レーザー誘雷研究では誘雷塔先端にレーザープラズマを生成し、レーザープラズマから上向きリーダを生成させて雷雲まで進展させることにより、雷雲の電荷を中和させることが目的である。このため、プラズマチャンネル長は重要なファクターである。長尺プラズマの生成には多光子吸収による弱電離プラズマ(荷電粒子密度n<10^<15>cm^<-3>)を用いることが考えられる。UVレーザの利点は(1)注入エネルギーが少なくてすむ、(2)生成プラズマ密度が空間的に一様であるため、リーダを沿わせ易い、などが挙げられる。当研究所は、弱電離プラズマに放電のトリガ効果の高い強電離プラズマ(荷電粒子密度n>>10^<15>cm^<-3>)を組み合わせたハイブリッド方式を用いて、扱電誘導特性の向上を目的とした実験を行った。 実験はギャップ間隔14cmの棒一平板電極を用いた。棒電極の先端に絶縁物ターゲットを設置し、それをCO_2レーザ(出力エネルギー70J)で照射することにより、強電離プラズマチャンネルを生成した。弱電離プラズマは、KrFレーザ(出力エネルギー350mJ)を集光することにより生成させた。棒電極に負極性を印加した場合には、強電離プラズマによってリーダがトリガされ弱電離プラズマに沿ってガイドされて主放電に至った。放電誘導効果は、強電離・弱電離プラズマをそれぞれ単独で使用するよりも、併用した方が明らかに50%フラッシオーバー電圧(V50)の低下が見られた。さらに、KrFレーザの繰り返し周波数を増加させるとこの傾向は顕著になり、V50が大幅に低下しする事が判明した。
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