これまで様々な太陽電池が研究されているが、太陽電池作製に大きなエネルギーを必要としている。本研究では半導体の凹凸表面を利用し、安価で省エネルギーの太陽電池を作製することを目的としている。TiO_2は安価で豊富な材料であり、成膜方法も簡単であるので、安価な太陽電池用材料として期待されている。本年度は凹凸形状をしだTiO_2を太陽電池に応用する場合に必要となるゾルゲル法によるTiO_2、Pbを添加したTiO_2の成膜法の確立、および物性評価を行いTiO_2を太陽電池に応用した。TiO_2、5%Pbを添加したTiO_2、10%TiO_2のバンドギャップはそれぞれ3.14eV、3.05eV、2.74eVであり、Pbの添加と共に長波長側ヘシフトした。X線回折から結晶系はすべてアナターゼである。XPSからPbはTiO_2のTiの格子位置に取り込まれてPb_xTi_<1-x>O_2が形成されていることが確認できたが、それと共にPbOの形成も示唆された。良好なpbの混入量を増加させて2.58eVのバンドギャップを得て、cuInSe_2と凹凸面状のpn接合を形成すれば、変換効率18%が得られることが予測された。そのためにはPbOを含まない単一相のPb_xTi_<1-x>O_2が望まれ、成膜条件と共に成膜法の検討も必要である。凹凸面状のTiO_2に色素増感させた太陽電池を作製した。膜厚の増加と共に変換効率は向上し、3μmで3.2%の変換効率が得られた。今後はさらに微細の凹凸形状の形成法や厚膜化によって高効率が達成できる。
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