研究概要 |
1.電磁界の測定装置の製作 平成7年度の奨励研究(A)で既に製作した装置を改良することにより,受信アンテナを球面上で走査し,電子機器からの放射電磁界の強度と位相を測定する装置を製作した.これまでの球面走査の測定装置はアジマス方向は自動回転で,仰角方向は手動だったに対し,今回製作した装置は両方向とも自動走査となったため,1回の測定時間はこれまでの5時間から20分に短縮された.また,走査精度は両方向ともに0.1Degとなり,高精度の測定が期待できる. 2.信号処理回路の製作 スペクトラムアナライザを2台用いて走査するアンテナと位相参照用の固定アンテナで受信された信号の周波数で選択し,さらにIF周波数に変換した.2台のスペクトラムアナライザのうち,1台は今まで所有したものであり,もう1台は平成9年度の設備備品として購入した.2つのIF信号をサンプリングと離散フーリエ変換により,ホログラム測定面の位相分布と振幅分布を得た.また,サンプリング回路など信号処理の電子回路は自作した. 3.可視化画像の作成 球面波モード関数の展開理論を用いた可視化プログラムを作成した.また,位相分布と振幅分布をコンピュータにより画像化し,放射電磁波のイメージを出力させるためのソフトウェアを作成した.可視化画像の高い解像度を得るため,可視化プログラムを実行するには膨大な計算時間が必要になる.今現在,計算時間の短縮化などの問題に対して検討を行っている.
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