• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

多数のカオス発生回路を結合したネットワークにみられる時空カオス現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09750420
研究機関徳島大学

研究代表者

西尾 芳文  徳島大学, 工学部, 助教授 (80253227)

キーワードカオス / 時空カオス / 非線形回路 / 結合発振器 / カオス遍歴 / クラスタ化 / 分岐現象 / 複雑系
研究概要

本研究では、多数のカオス発生回路を結合したネットワークにみられる時空カオス現象を解明するために、さまざまなモデルを設定し、実際に回路実験を行ない、発生する現象についての詳細な解析を行なった。主たる結果は以下の通りである。
1.同期状態の崩壊メカニズムの解明
多数のカオス発生回路の結合系には、一部の回路のみが同期を保つクラスタ化と呼ばれる状態がしばしば観測される。適当なパラメータの下では、このクラスタが現れては消える興味深い現象が発生する。このメカニズムを解明するために、カオス発生回路を2個のみ結合した簡単なシステムに対し、同期崩壊に関する詳細な解析を行なった。その結果、同期崩壊にはLocally Riddled Basinと呼ばれる、同期状態から解を引き離す複雑な引力圏構造が密接に関係していることが明らかとなった。また、この引力圏が不安定周期軌道に関連して発生することも確認された。
2.カオス回路ネットワークの位相パターンの判定回路の設計
多数のカオス発生回路を結合したネットワークを実験を通して研究する場合、発生する現象をいかに正確に把握できるかが重要となる。本研究では、位相のずれによって生じる位相パターンの不規則な移り変わりを調べる必要があるが、多数の信号の位相状態の変化を同時に測定することは、極めて困難であった。そこで、抵抗で格子状に結合したカオス回路ネットワークに発生する位相パターンをディジタル信号に変換する簡単な判定回路を設計し、その有効性を確認した。この判定回路の出力をパソコンなどで処理することにより、統計量の解析が簡単にできることになる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.WADA: "Analysis of Bifurcation Phenomena on Two Chootic Circuits Coupled by an Inductor" IEICE Trans.on Fundamentals. E80A・5. 869-875 (1997)

  • [文献書誌] T.OKAMOTO: "Analysis of a Coupled System Containing Circuits with Different Oscillation Frequencies" IEICE Trans.on Fundamentals. E80A・7. 1324-1329 (1997)

  • [文献書誌] Y.NISHIO: "Pattern Control in a Coupled Chaotic Network and its Possible Application in Communications" Proc.of IEEE ISCAS'97. 2. 1037-1040 (1997)

  • [文献書誌] J.KAWATA: "Analysis of Chua's Circuit with Transmission Line" IEEE Trans.on Circuits and Systems I. 44・6. 556-558 (1997)

  • [文献書誌] M.WADA: "Blowout Bifurcation and Riddled Basin in Simple Coupled Chaotic Circuits" Proc of ECS ECCTD'97. 3. 1269-1273 (1997)

  • [文献書誌] T.OHIRO: "Circuit Realization of an Analog Chaotic Network and Analysis of Pattern Switching Pheromenon" Proc.of NOLTA'97. 1. 269-272 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi