研究概要 |
本研究は、パンクチャド畳込み符号を記録符号として採用して、複数トラックに記録し、面方向にPRML方式を拡張することでSN比改善を図り、高密度ディジタル磁気記録を達成することを目的としている。 現行のHDD等のディジタル磁気記録装置において採用されている長手磁気記録媒体及び次世代の記録媒体として期待されている垂直磁気記録媒体に対して記録再生実験を行い、同一面記録密度で、本方式の優位性を確認した。 記録再生実験を行う評価システムは、記録データの生成、記録符号化、再生等化、ビタビ復号、記録符号の復号化、記録データと再生データの比較による誤り率の計算などを行う計算機、記録符号を所定の記録レートで発生する波形発生器、ディスクとヘッドを装着して記録再生するスピンスタンド、再生波形を取得するディジタルオシロスコープ、さらに、円滑に実験を行うために、これらをGP-IBを介して一括制御するシステムコントローラで構成されている。 本性能評価システムを用いて、長手磁気記録と垂直単層膜媒体による垂直記録を行った。但し、MIGヘッドで記録し、MRヘッドで再生した。なお、2トラック記録の場合には、記録されたトラックの半分をDC消去してマイクロトラックを作成した後、再生することで、1トラックの場合とほぼ同一の面記録密度を実現している。 1トラック記録の場合の比較対象として、良好な特性を示す(1,7)RLL符号化E^2PR4ML方式を取り上げ、上記の方法で2トラックパンクチャド畳込み符号化PR4ML方式の性能と比較したところ、400kBPIの記録密度における誤り率で、長手記録の場合には2桁、単層膜媒体による垂直記録の場合では4桁の改善が得られた。
|