研究概要 |
本年度は,縮小モデルを用いた測定と高精度計算機コードの開発について検討した. 1.縮小モデルを用いた測定 指向性パターン測定システムを作製した.本システムでは,科研費により購入した信号発生器や既存のスペクトラム・アナライザ,電波無響室内の回転台をパーソナルコンピュータに接続して,専用の制御プログラムによって測定データを計算機に取り込む.これにより,計算機による解析データとの比較が容易に行なえるようになった.しかしながら,スペクトラム・アナライザのデータ伝送速度が遅いために測定パターンの分解能が約0.6度から約7度まで変動することが明らかになった.今後は,より細かい分解能での測定,より安定した分解能での測定を目指して,使用するスペクトラム・アナライザを検討する必要がある. 2.高精度計算機コードの開発 現在,3次元FDTD法を用いた電磁波環境への建築物の影響を求めるための計算機コードを開発中である.本手法は,容易に建築物の形状や建築物表面に取り付ける吸収体の電気定数を変更することができるので,解析結果は高精度であると期待できる.本手法で得られた解析データを測定データと比較・検討しながらさらに解析精度を高め,建築物による電磁界への影響の効果的な対策を明らかにする.
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