研究概要 |
本研究は,人間との共存を前提とした自律移動ロボットの行動に対して,予測の考え方を取り入れ,より安全に滑らかに動く予測行動型自律移動ロボットシステムのプロトタイプを実際に開発することを目的としている.本研究は2年計画で,1年眼の本年度は,自律移動ロボットシステムのベースシステムの製作を,以下の手順で行った. 1.予測行動計画系の理論的検討 状態フィードバック理論に基づく予測制御・オブザ-バの考え方を導入した予測行動計画系について検討し,自律移動ロボット自身の位置情報が必須となることが分かった. 2.自律移動ロボットシステムの仕様策定 本システムの設計仕様を以下のように決めた. (1)ロボット本体は,拡張性と信頼性を考慮に入れて,車輪型移動ロボット(設備備品)を利用した. (2)この上に,ノート型PC(設備備品)を搭載し,また,デスクトップ型PC(設備備品)を外部に設置して,無線モデム(設備備品)を介して通信させることにより,車輪型移動ロボットに内蔵されているワンボードマイクロコンピュータの性能の限界を取り除いた.本研究ではこのシステムを,ベースシステムと呼んでいる. 3.自律移動ロボットベースシステムの製作 以上の設計仕様を満たす自律移動ロボットのベースシステムを実際に製作した. 来年度の研究課題は,このベースシステムに,外部環境情報を取り込むためのセンサシステム(複数の超音波距離センサ等を予定)を組み合わせることにより,自律移動ロボットシステムの残りの製作を完了し,実機による評価を行い,システムのプロトタイプを完成させることである.
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