研究概要 |
本研究では、マルチメディア技術によって仮想的に構築された三次元視聴覚環境から刺激を受けている人間の生理指標を計測・分析することで人間が感じている集中力や緊張感を推定し,それに基づいて適度の満足感や快適感が得られるように視覚や聴覚に与えられる刺激をコントロールするアダプティブ・インタフェースの開発を行なった. 具体的にはアダプティブ・インタフェースは、生理指標抽出部、心理状態推定・学習部、三次元仮想環境制御・呈示部からなる。生体情報をトラッキングし集中力や緊張感のレベル変化をリアルタイムで算出しながら、ユーザが快適感や満足感を維持できるような適度の集中力と緊張感を与えるように三次元仮想環境をコントロールするシステムを、来年度購入予定の設備備品費で購入する三次元仮想環境制御・呈示用計算機上に構築する。そして、被験者に対する実験結果を解析することで、生体情報と心理状態との対応付けを行う。 本年は,これらの中から特に生理指標抽出部に問題を絞り,本年度予算に計上していた生体情報計測用計算機環境を整えたことで,正しくユーザの心理状態を推定する基本情報である生理指標の抽出に関する信号処理技術を改良・新規提案することができた.これらは3本の論文となり,研究発表の項目で業績としてとりあげている.来年度はこの続きとして,システム全体の構築を予定している.
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