研究概要 |
本研究では,CCDカメラにて落下中の降雪粒子を撮影し、パソコン用の画像処理ボードにて降雪粒子の粒径および落下速度を同時測定し、冬季期間連続して1分ごとに自動観測を行った。また、電子天秤による降雪強度測定を連動して行った。次に、これらを統合して、画像処理データから降雪粒子の総体積、降雪強度より粒子の総重量を求めることにより、降雪粒子の密度を算出した。更に、気象7要素も連続して測定し、光磁気ディスクに保存し、一つのデータベースに統合するソフト開発を行った。 地上付近の気温、輪島上空の気象データおよび気象衛星「ひまわり」の雲画像と降雪の有無を解析した結果、地上付近の気象要素と降雪粒子の空間数密度、落下速度、密度の各データが降雪内容と密接に関係していることがわかった。特に、気温と降雪粒子の密度に相関があった。 次に、衛星放送信号をスペアナにて受信解析し、降雪時の電波受信電力の変化を求めるシステムを作成した。1分ごとに周波数スペクトルを平均し、その合計電力を同時に連続して保存した。今冬季期間試験運用したところ、良好な動作が得られることを確認した。合計電力と降雪強度の関係を求めた結果、降雪強度と合計電力に負の相関がみられ、降雪粒子の密度による違いを調べている。 今後、非降雪地帯において衛星放送信号を受信し、降雪地帯の電力と比較を行い、降雪による受信電力の差を調べる予定である。また、GPS(測位システム)により、電波受信位置の特定を行う機構を組み込むことが課題である。
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