研究概要 |
本研究は,干満帯や飛沫帯,海上大気中におけるコンクリートへの塩分浸透予測手法を確立するための基礎的検討として,コンクリートの品質と環境条件の両方の影響を含む「等価拡散係数」を求め,その経時変化を把握することを目的として,水セメント比45%,55%,65%のモルタル供試体を用いた乾湿繰り返し塩分浸透試験と水分移動の影響を考慮した塩分浸透予測モデルを用いたシミュレーションを行い,以下の点について検討した. (1)モルタルの品質と等価拡散係数の関係 (2)乾湿繰り返し条件と等価拡散係数の関係 (3)等価拡散係数の経時変化特性とそれに影響を及ぼす各種要因 その結果,以下のことが明らかとなった。 (1)乾湿繰り返し環境下におけるモルタルの等価拡散係数は,経時変化する. (2)等価拡散係数の値は,乾湿繰り返しのパターンに依存し,本研究で検討した範囲においては,湿潤期間が長いほど大きくなる. (3)等価拡散係数の経時変化量は,水セメント比によってことなるが、飽水状態における拡散係数で割って無次元化した値を用いると,その経時変化は水セメント比に依存しない.
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