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1998 年度 実績報告書

劣化したコンクリート橋梁のせん断耐荷機構および耐震安全性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09750542
研究機関神戸大学

研究代表者

森川 英典  神戸大学, 工学部, 助教授 (70220043)

キーワードコンクリート橋 / 劣化 / 兵庫県南部地震 / 被災要因分析 / せん断破壊 / せん断耐荷力 / 耐震安全性力 / 耐震診断
研究概要

本研究では、劣化したコンクリート橋のせん断耐荷機構を明らかにし、せん断耐力評価式を提示するとともに、それに基づく耐震安全性の経年変化予測手法について検討した。
まず、パターン化した人工劣化を考慮し、その位置と大きさ、劣化の程度をパラメータとした模型供試体による実験を行うとともに弾塑性有限要素解析を行い、劣化モデルとせん断耐力との関係を検討した。これにより部分劣化を有するコンクリート部材のせん断耐力算定式を作成した。
次に、地震時におけるRC橋脚のせん断破壊メカニズムを検討するため、弾塑性有限要素法解析プログラムを開発した。特にせん断破壊解析に重要となるテンションスティフネス、骨材の噛み合い、ダウエル作用を合理的に取り扱う手法について検討、導入を行った。兵庫県南部地震における被災橋梁データの統計分析結果から、せん断破壊モード型橋脚を抽出し、典型的なモデルにおける地震時せん断破壊解析を行い、破壊性状について明らかにするとともに、パラメータ解析により地震動特性、材料劣化がせん断破壊性状およびせん断抵抗性能に及ぼす影響について評価した。
最後に、コンクリートの材料劣化の経年進行予測を行うための手法について検討した。コア材料試験、非破壊検査による強度検査結果から強度分布を有限フーリエ変換を用いて表し、その経年変化特性をモデル化した。また点検回数に応じて初期状態を推定するための手法を検討した。1回目の点検時においては、非線形計画法を適用して最適化計算により同定する手法を採用した。さらに、弾塑性有限要素法を用いてブロック形状にモデル化した強度劣化分布がせん断耐荷力に及ぼす影響の感度解析を行い、劣化分布モデルとせん断耐荷力との関係を導き、劣化進行に伴って評価された劣化分布を考慮したせん断耐荷力の評価法として提案した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 河合優: "パターン化した劣化モデルを考慮したRCはりのせん断耐荷特性" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.19,No.2. 705-710 (1997)

  • [文献書誌] 森川英典: "部分劣化モデルを考慮した鉄筋コンクリート部材のせん断耐荷特性" 建設工学研究所論文報告集. Vol.39A. 57-75 (1997)

  • [文献書誌] Hidenori Morikawa: "Damage analysis of bridge piers based on GIS database for the 1995 Hyogoken-Nanbu Earthquake" Proc.of the 1st Iran-Japan Workshop on Recent Earthquake in Iran and Japan. Vol.1. 207-221 (1998)

  • [文献書誌] Hidenori Morikawa: "Damage analysis and probabilistic diagnosis of bridge piers based on GIS database for the 1995 Kobe Earthquake" Proc.3rd China-Japan-US Trilateral Symposium on Lifeline Earthquake Engineering. Vol.3. 57-64 (1998)

  • [文献書誌] Shiro Takada: "Shear transfer mechanism and its implications in the failure of RC bridge piers during strong ground motions" Memoirs of the Graduate School of Science and Technology,Kobe University. No.16-A. 35-57 (1998)

  • [文献書誌] 森川英典: "強度劣化進行モデルを考慮したコンクリート橋のせん断耐荷力評価" 建設工学研究所論文報告集. Vol.40-A. 143-161 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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