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1997 年度 実績報告書

電気化学的脱塩手法がPC部材の力学的挙動に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 09750544
研究機関徳島大学

研究代表者

上田 隆雄  徳島大学, 工学部, 助手 (20284309)

キーワードデサリネーション / 水素脆化 / 低ひずみ速度引張試験 / 吸蔵水素量 / 処理後の回復
研究概要

デサリネーションはコンクリート中の塩化物イオン(Cl^-)の除去を目的とする電気化学的手法である。デサリネーションはこれまで塩害により劣化したRC構造物への適用が検討されており、PC構造物への適用は見送られてきた。これは、デサリネーションをPC部材に適用する際の最大の問題点として、PC鋼材の水素脆化の可能性があるためである。そこで、本研究ではあらかじめ塩化物を混入したプレテンションPC角柱供試体にデサリネーションを施した時の、PC鋼材の力学的および化学的性状の変化を検討することとした。
本研究から、現在得られている結果をまとめると次のようになる。
(1)8.0kg/m^3のCl^-を混入したプレテンション型PC供試体に通電処理を施し、低ひずみ速度引張試験を行ったところ、PC鋼材の弾性挙動と引張強度に到るまでの塑性挙動に大きな影響は見られなかったが、破断強度、絞りなどに水素脆化の影響が現れた。
(2)通電処理を行った供試体のPC鋼材の吸蔵水素量測定の結果、拡散性水素の放出ピークが検出された。
(3)通電処理後に1ヶ月までの静置を行ったところ、拡散性水素の第1ピーク(470K 付近)が消失し、水素脆化による鋼材の破断挙動の変化も回復改善された。
以上より、デサリネーションをPC構造物に適用することにより、通電期間中および処理後数週間程度において、水素脆化に起因する遅れ破壊の可能性があるが、比較的短期間でこの様な状況は改善され、さらに、塩害による劣化対策としても有効であることから、デサリネーションのPC構造物への適用は有効であると判断できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 上田隆雄, 溝口茂, 芦田公伸 他: "デサリネーションによるPC鋼材の水素脆化に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. 19-1. 1101-1106 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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