研究概要 |
本研究は、微地形の細部まで表現できる地形データ作成システムを用いた並列計算法により地形風の数値流体解析を実用レベルで行う数値シミュレータの開発を行うものである。 2年間の研究期間において 1) 三次元地形モデリングシステムの構築 2) 三次元流れの支配方程式に対する並列計算システムの構築 3) 以上の二つのシステムの統合化 を行った.昨年度は1)と2)について研究を行い,今年度は,1)の改良と3)について研究を行った. 1)の改良については,地形上に構造物が存在する場合にも有効となるようシステムの改良を行った.具体的には,地形図をスキャナー入力しラスター・ベクター変換されたデータと,構造物のCADデータをDXFファイル上で合成して,構造物を含めた地形モデルを作成するものである.要素としては,6面体のボクセル要素を用いた.本システムを用いることにより,パーソナルコンピュータ上で複雑な形状を有する構造物周辺の流れ解析のために要素分割が簡便に,かつ迅速に行うことが可能となった. 次いで,3)のモデリングシステムと並列計算システムの統合化を行い,実際に地形モデリングシステムで作成したモデルを用いて大規模な地形風の並列計算を行った.その結果,非常に高い並列化効率が得られ,本システムの有効性が確認された.
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