研究概要 |
本研究は、緩い砂層中に建設される地中構造物の液状化時に対する浮上り抑制工として締固め工法を用いる場合について、締固め領域の相対密度を70%と一定に定めたときの締固め範囲の変化(W=0,30,60cm:液状化層厚60cm)が、液状化時の地中構造物の挙動にどのような影響を与えるかを検討するために実物との相似則を考慮した模型振動台実験を行った。その結果明らかになったことを以下に示す。 (1)液状化層厚に対する締固め幅の比 W/H が大きくなるほど模型構造物の浮き上がり変位は抑制され、その効果は、 W/H の値に比べより顕著に現れる。 (2)締固め範囲の相対密度が Dr=70%の時、締固め範囲がより狭くなると、液状化後の再堆積に伴う未改良域での沈下と地盤上層部において改良域が未改良域に倒れ込むような変形がより大きな範囲で観察される。 (3)締固め範囲内での地盤の剛性の変化、及び模型構造物の浮き上がり量の増減は、締固め範囲内での過剰間隙水圧の挙動に依存している。 (4)未改良の実験(締固め領域を設けない)においては、模型構造物底面での土被圧増分並びに間隙水圧増分がσ_vにほぼ達すると同時に加速度振幅も急激に減衰し、模型構造物に浮き上がりが観察された。
|