本年度は、RGBデータを用いた色彩階調分析手法の確立をめざし、以下の成果を得た。 1.RGBデータを用いた色彩階調測定方法の精緻化と多様性評価の視点設定 (1)RGBデータを用いた色彩階調測定方法の精緻化 初めに、RGB画像データの作成方法について、サンプルスライドよりスライドスキャナーを用いてフルカラーRGB画像(1670万色)とする方法、デジタルカメラを用いて直接コンピューター入力する方法の両方を考慮し、画像解像度300にてテストサンプルを作成し、計測値として安定性の高い入力方法を選択した。 つぎに、デジタル画像加工処理ツールを用いて、画像の中の指定範囲のRGB画像の階調レベルの集計分布のヒストグラムの記述方法を確定する。また、同時にRGB系表色系からHVL(マンセル表色系)への変換方法をプログラム上実行可能なものにし、測定方法の精緻化を図った。 (2)階調の多様性評価の視点設定 色彩階調の多様性の評価を行う分析視点を、RGB表色系、HVLマンセル表色系の集計ヒストグラムのプロフィール形におけるピーク値、レンジ、ピクセル頻度等によって設定した。 2.木材の処理をもつ伝統的な橋と山並み:景観における色彩階調データの収集 錦帯橋、渡月橋を対象に、代表的な複数の視点場を設定し、現場にてアナログ、デジタルカメラにて、橋と山並み景観の写真サンプルを収集した。山並み景観は、近、中、遠景の距離別の写真を収集する。天候等の実験条件を揃えるために、5回日を違えて測定した。
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