| 研究概要 |
本年度は,VTRに合成するための現実感の高い写実的な画像をコンピュータグラフィックス(CG)により生成するための手法の検討,および計算機上への実装を重点的に行った.さらに,CGにより生成した画像をVTRから取り出した画像に合成するための合成位置の抽出に適した画像処理を応用した手法の検討を行い,プログラムを作成した.具体的には,それぞれ下記の成果を得た.
(1)天候・時刻を考慮した天空照度高速計算手法の開発
完全晴天空・完全曇天空下での天空照度の高速計算手法を,同一のアルゴリズムで太陽による半影を表現可能となるように改良した.さらに,大気の透過率を考慮することにより季節感を表現できるように改良した.また,これらの改良手法をまとめた論文を学術雑誌に発表した.
(2)VTR画像中の特徴点追跡プログラムの開発
カメラを高速にパンしたときに生じる,インタレース方式で画像を記録する際の問題(フィールド間での画像のずれ)に対応可能で,計算時間と精度の間のよいトレードオフを実現した,特徴点の探索手法を開発した.さらに,本手法の効果を確認するための,探索した特徴点の位置に単純にCG画像を合成するプログラムを開発した.それぞれの手法について,学会の支部大会で口頭発表した.
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