RC及びPC柱・梁接合部のせん断耐力に関する有限要素法解析とせん断設計法の開発

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09750645
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 柏崎 隆志 千葉大学, 工学部, 助手 (40251178)
• キーワード: 鉄筋コンクリート / プレストレストコンクリート / 柱・梁接合部 / 有限要素法 / せん断耐力 / せん断設計法

研究概要

本研究では、RCおよびPC柱・梁接合部のせん断耐力を把握するために、コンクリート強度、接合部横補強筋、柱軸力、梁主筋付着、プレストレス力、プレストレス材の付着などをパラメータとした2次元非線形FEM解析を行い、解析結果から得られる接合部の変形、ひずみ状況や内部応力状態の詳細な検討から、接合部せん断抵抗機構に基づいたせん断耐力モデルやせん断耐力式を提案し、RCおよびPC柱・梁接合部の合理的な耐震設計法の開発に寄与することを目的とする。
上記目的を達成するために、本年度は接合部せん断破壊が顕著なRCおよびPC柱・梁接合部実験試験体を対象としたFEM解析を行い、解析モデルの検証、ならびにせん断抵抗機構の検討を行った。具体的には、以下の2項目について研究を実施した。
RC柱・梁接合部:RC接合部のせん断耐力に影響を与えるコンクリート強度、横補強筋、柱軸力、梁主筋付着をパラメータとしたFEM解析結果を用いて、RC接合部のせん断抵抗機構に与える各因子の影響を評価した。
PC柱・梁接合部:プレストレス力(PS=0〜0.2Fc、Fc :コンクリート圧縮強度)とプレストレス材の付着(ボンドとアンボンド)を主なパラメータとした、PC接合部のせん断破壊実験試験体4体を解析対象としてFEM解析を実施し、PC接合部実験試験体の履歴特性、破壊状況、接合部応力伝達機構の比較・検討を行った。尚、PC接合部の精度良いFEM解析を実施するために、グラウト材の付着-すべり関係を実験データから求め、より実状に近いプレストレス導入モデルの開発を行った。

研究成果

• [文献書誌] Takashi KASHIWAZAKI: "Parametric Study on the Shear Strength of RC Interior Beam-Column Joints Using Finite Element Method" Transactions of the Japan Concrete Institute. 18. 275-282 (1997)
• [文献書誌] Takashi KASHIWAZAKI: "Three-Dimensional Nonlinear Finite Element Analysis of R/C Interior Beam-Column Joints with Ultra High-Strength Materials under Bi-Directional Load" Transactions of the Japan Concrete Institute. 18. 283-288 (1997)
• [文献書誌] Takashi KASHIWAZAKI: "Three-Dimensional Nonlincar Finite Element Analysis of RC Interior Beam-Column Joints with Ultra High-Strength Materials" Proc. of International Conference on High Strenght Concrete. 1-11 (1997)
• [文献書誌] 柏崎隆志: "RC内柱・梁接合部のせん断耐力に与える横補強筋の効果に関する有限要素法解析" コンクリート工学年次論文報告集. 19-2. 999-1004 (1997)
• [文献書誌] 柏崎隆志: "プレストレストコンクリート柱・梁接合部のせん断性状に関する実験的研究" コンクリート工学年次論文報告集. 19-2. 1179-1184 (1997)
• [文献書誌] Takashi KASHIWAZAKI: "Finite Element Analysis of RC Beam-Column Joints with High-Strength Materials" Structural Engineering and Mechanics. 5-5. 625-634 (1997)