本研究では、1、同一パターンの部材配置をもつラチス構造物を研究対象とし、連続体の波動伝播特性との違いを実験・解析の両面から調査すること、2、1の結果を利用してラチス構造物を連続体置換するときに導入する有効減衰の最適値について考察を行うこと、を主な目的としている。 そのために、今年度は以下のような研究計画を遂行している。 1.部材配置の異なる数種類のラチス平板およびラチスシェルの試験体を作成する。試験体は、実験の測定精度を考え、伝播速度が比較的遅いアクリル製(縦波の位相速度において、鉄:アクリル=4:1)とする。経費の大半は、実験用の試験体およびパソコン、実験結果の解析に必要なソフトウェアの購入に充てる。 2.ラチス平板構造試験体の実験を行う。実験を、以下の点に注目して行う。 a.部材長のばらつきと減衰特性との関係 b.接合部における部材の接続状況(接続部材数や接続角度など)と減衰特性との関係 c.卓越振動数と部材長との関係 1については3種類のラチスシェル試験体を作成し、実験に必要なパソコンおよび適切と思われるデータ解析ソフトウェアを購入した。 2については、現在実験を遂行中である。購入したデータ解析ソフトウェアを利用することにより、迅速なデータ処理が可能となった。 今後、得られた測定データをもとに試験体境界部の散逸減衰の評価方法を検討する予定である。
|