外装材への着雪およびその剥落雪を評価する場合、自然現象での着雪によって評価すると、そのときの気象条件などが一定にならないことから、人工的に雪を付着させる「着雪試験装置」を作製した。本装置は風洞内に雪を供給し、その雪を鉛直面の材料に付着させる装置であり、風速や供給雪量を変化させることが出来る。 簡易な剥落雪性を評価する手法を検討した。水平面に円錐状に付着させた雪における鉛直状態での剥落雪状況と人工着雪装置で付着させた雪の剥落雪状況を比較した結果、両者が相関関係にあることが判った。また、水平面に付着させる雪に人工雪(氷を削った雪)を用いた場合も相関関係があることから、この方法が簡易な着雪後の剥落雪性を評価する手法として有効と言える。 外装材料であるサイディング(窯業系)や金属板などにおける着雪後の剥落雪性状を検討した。材料表面にシリコン系の撥水剤を塗布したもの、材料表面を研磨紙で粗面化したもの、および素地における剥落雪性を諸実験で評価した。その結果、サイディングなどの表面凹凸の大きい材料においては、撥水剤を塗布することによって剥落雪し易くなるが、平滑表面のガラスなどは、その効果がみられないことが判った。また、ザイディングを粗面化すると滑落雪し難くなることが判った。これらのことから、外装材における着雪後の剥落雪性は、材料表面の凹凸状態と撥水性を制御することによって変化することが判った。 次年度は、剥落雪し易い表面形状(メゾレベル、ミクロレベル)とその状態での最適撥水性について検討する予定である。
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