本研究は、気象衛星画像を用いた天空照度および日射量の予測法を開発し、それを時間的・地域的な天候の変動を考慮した建築空間の設計に適用するための応用的研究である。 気象衛星「ひまわり」(GMS-5)は、東経140度の赤道上に静止し、日本を含む地球全体の可視光線画像および赤外線画像を1時間毎に撮影している。本研究では毎時の可視および赤外画像データを連続的に蓄積し、気象衛星画像データベースを構築した。一方、各地の気象台での地上気象データおよび福山大学における天空輝度および天空照度観測データにより、地上気象観測データベースを構築した。。地上観測データと可視および赤外の衛生画像データの相関分析より、地上観測データの重回帰式を導いた。これにより気象衛星画像による任意の立地・任意の時刻の天空輝度および天空照度の予測が可能となった。 また、任意の反射指向特性をもつ面で構成される建築内部空間の輝度分布・照度分布予測法と、任意形状の面で構成される建築内部空間の輝度分布・照度分布予測法に、上記の気象衛星画像利用天空輝度・天空照度予測法を組み込み、建築光環境予測法を構成した。 さらに、太陽電池を設置して、全天空照度および全点日射量と発電量の同時測定を行い、次年度に予定している気象衛星画像によるソーラーシステム評価法開発のための基礎データを収集した。
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