今日冷暖房の使用は、生活上不可欠なもので、熱適応障害を持つ脊髄損傷者は、温熱環境改善の要望が高く、今後熱的弱者を対象とした冷暖房機器の開発が重要である。頸髄損傷者は血管調節障害・発汗障害などにより、十分に放熱が行われず、身体内部に熱がこもってしまう「うつ熱」と言われる状態を呈することがある。 「冷房している部屋」と「冷房を必要と思う部屋」というアンケート調査を(複数回答可)以前に実施した。 その結果、「冷房をしている部屋」については、居室36.00%・寝室41.27%・台所11.09%・トイレ5.27%・浴室1.82%・その他4.55%となり、「冷房を必要と思う部屋」については、居室14.75%・寝室13.82%・台所11.52%・トイレ29.49%・浴室11.52%・その他3.69%という結果を得た。以前はトイレに着目して、頸髄損傷者(完全まひ)宅で健常者と在宅実験を試みた。 移動に際しての皮膚温上昇が見られ、うつ熱や発汗障害の傾向は強く見られなかったということで、冬季の暖房を用いての実験が、今後の課題に上がっていた。理由は冬季のトイレでの長時間下半身裸体や浴室での入浴前の全裸は、急激に皮膚温を下げる危険性が生じるためである。 そこで冬季の暖房についてのアンケートを現在まとめている途中である。その結果を踏まえて、来年度の冬に実験を計画中である。また、各地の福祉施設などで生活している肢体不自由者の方々と直接会って、話を伺っているところである。とにかく被験者の数を増やしいくことが重要である。
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