今日冷暖房の使用は、生活上不可欠なもので、熱適応障害を持つ脊髄損傷者は、温熱環境改善の要望が高く、今後熱的弱者を対象とした冷暖房機器の開発が重要である。頸髄損傷者は血管調節障害・発汗障害などにより、十分に放熱が行われず、身体内部に熱がこもってしまう「うつ熱」と言われる状態を呈することがある。 「冷房している部屋」と「冷房を必要と思う部屋」というアンケート調査を(複数回答可)以前に実施した。「冷房をしている部屋」についてはトイレ5.27%、「冷房を必要と思う部屋」についてはトイレ2949%という結果を得た。トイレに着目して、頸髄損傷者(完全まひ)宅で健常者と住宅実験を試みた。 その結果、移動に際しての皮膚温上昇が見られ、うつ熱や発汗障害の傾向は強く見られなかったということで、冬季の暖房を用いての実験が、今後の課題に上がっていた。理由は冬季のトイレでの長時間下半身裸体や浴室での入浴前の全裸は、急激に皮膚温を下げる危険性が生じるためである。 今年度は冬に実験計画をするための予備調査として、各地の福祉施設などをバリアフリー関連の見学を含めて、そこで通所や生活している肢体不自由者の方々と直接会って話を伺って、アンケートの協力依頼をお願いしたが、冬季の実験を行うまでには至らなかった。とにかくこの研究の大切さを話すことで精一杯で、なかなか実験の被験者どしての協力を得るまでに行かず力不足を感じた。とにかく今は被験者の数を増やしいくことが重要である。
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