平成7年兵庫県南部地震の調査結果から、外壁面全体で設計・施工が行われるカーテンウォールについては、十分な耐震性能が確保されていることが明らかになった。しかし、これらを除く複数の材料(例えばパネルとサッシとガラス)で構成された外壁については、十分な耐震性能が確保されていないことが明らかになった。 そこで本研究は、これらの現状の設計・施工のプロセスを明らかにし、耐震性能を確保するために、どのような手順で、どのような情報が提供され、どのようなことそれぞれの立場で指示しなければならないのかを明確にする事を目的とする。 昨年度までの研究では、外壁材の情報収集を行った。またモデルケース想定を行い、ケーススタディーの中心としてサッシに焦点を当てることとした。 その中で耐震設計がどのようになされているが、どのような情報に基づいているかなどを公的設計主体と民間設計主体にそれぞれアンケート調査を行った。その結果、カタログ類しか参照しないため、仕様書まかせできちんとした耐震設計が行われていない実態が明らかになった。 さらに調査に基づいて、その後耐震性能を確保するための設計、施工のプロセスを提案し、それに対応した各段階でのチェックシートなどのツールを、設計者と施工者に対して作成した。
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