平成9年度は、一戸建住宅の乾式外壁構法において発生する残材量の実態及び発生要因を詳細に把握するすることによって、残材を軽減するための具体的な手法を構築する際の基礎となる資料を得た。 まず、乾式外壁部材を用いた一戸建住宅9棟の施工現場に赴き、発生残材量を施工ミスによる残材、部材と壁面との寸法調整による残材とに区別して計測し、発生残材の大きさ及び量は壁面の割付方法によって大きく異なることを明らかにした。また、同一現場内における各残材の転用状況を詳細に調査した結果、転用頻度の高い物件ほど残材発生率が小さいことが明らかとなった。さらに、施工者に対するヒヤリング及びアンケート調査から、残材発生の原因や残材を減少させる具体的な対応策などを明らかにした。 次に、施工ミスによる発生残材の分析から、ミスが生じやすい部材形状を特定し、それらを減少させるための施工方法や割付設計方法の要点を抽出した。また、部材寸法と壁面寸法との調整による発生残材の分析から、生じやすい箇所を導き出し、それらを減少させるための部材寸法及び割付設計方法の要点を導き出した。さらに、発生残材の転用状況の分析から、残材を有効に転用するための施工方法や部材寸法の条件を抽出し、残材発生量を軽減するための具体的な方法論のアウトラインを作成した。
|