研究概要 |
痴呆性老人や寝たきり老人など属性の異なる入居者ごとに適した生活・ケアをおこなうため,施設定員を幾つかのグループに分けた少人数ケアに対するニーズは高い。本研究では,こうしたグループケアのための物的環境条件を備えた施設を捉えるため,平成7年度以降に設立された全国の特別養護老人ホームを対象として,建築図面の送付を依頼した(全国老人福祉施設要覧平成8年度版より抽出)。ただし建築図面の送付が困難な場合には,建築条件などを把握している設計事務所名を尋ねることにより,以後の施設資料とした。送付依頼対象は416施設であり,回答施設は121施設であった。(建築図面を収集:109施設,設計事務所名のみ回答:12施設)。 収集した建築図面および施設パンフレットより,施設定員,階段,延床面積,敷地面積,諸室数,介護単位数などを読み取り整理した。またグループケアに関する項目としては,生活単位(居室,日中生活空間,寮母室などで構成された空間のまとまり)が施設内でどのように計画されているかを読み取り,その複合形態をタイプ分けした(例:小規模複合,大規模単独など)。この際,建築図面のみでは判断できない情報に関しては施設へのヒアリングをおこない補足した。 さらに収集した建築図面については,以後の取り出しを容易にするために,スキャナーでパソコン内に取り込ませてデータベース化した。施設ID,都道府県名,生活単位の規模などの条件を入力することにより,該当する施設の図面を検索可能をした。
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