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1997 年度 実績報告書

20世紀前半の中国東北地方における民間の日本人建築家に関する建築史研究

研究課題

研究課題/領域番号 09750715
研究機関名古屋大学

研究代表者

西澤 泰彦  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80242915)

キーワード植民地建築 / 満洲 / 大連 / 満鉄 / 岡田時太郎 / 中村与資平 / 横井謙介
研究概要

1.中国東北地方在住民間日本人建築家リストの作成
『建築学会会員姓名住所録』や『満洲建築雑誌』の掲載記事を基に「中国東北地方在住民間日本人建築家リスト」を作成した。この結果、中国東北地方では、多くの日本人建築家・建築技術者は満鉄など国家的機関の建築組織や施工を主として請負っていた民間建築組織(建築請負業者)に所属しており、民間建築事務所を開設した日本人建築家はごく少数であったことが判明した。これは、日本国内に比べて民間資本の蓄積が少なく、民間の建築需要が満鉄などの国家的な建築需要に比べて非常に少ないことが原因であった。特に、1910年代までは、民間建築事務所の経営が成り立つ社会状況ではなく、岡田時太郎や中村與資平のようなすでに日本国内や朝鮮半島で実績を持つ建築家であっても大連では建築設計の仕事が得にくく、施工部門に参入せざるを得ない状況であった。
2.中国東北地方在住民間日本人建築家作品録の作成
『満洲建築雑誌』や『満洲日々新聞』などを基礎資料として「中国東北地方在住民間日本人建築家作品録」を作成したが、民間資本の蓄積が少ない状況であったので、民間日本人建築家が設計監理した建物は比較的規模の小さな商業建築と住宅が大半である。行政機構の中に建築組織が存在する状況は日本国内も同じであったが、東京市の学校建築では岡田信一郎や中村與資平などの民間建築家が設計を行なったり、辰野金吾が東京駅を設計するなどという事例に比べて、中国東北地方在住民間日本人建築家の作品は公共性の弱いものが多い。また、三橋四郎や西村好時のように日本国内に拠点を構えた民間建築家が中国東北地方の公的建築物を設計する事例も見られた。
以上の成果を学術論文にまとめ、 『日本建築学会計画系論文集』 に公表する予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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