• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

酸化物中の遷移金属不純物における光学遷移の第一原理計算

研究課題

研究課題/領域番号 09750732
研究機関京都大学

研究代表者

小笠原 一禎  京都大学, 工学研究科, 助手 (10283631)

キーワード多重項 / 第一原理計算 / DV-Xα分子軌道計算 / DV-ME法 / 団体レーザー材料 / 相対論効果 / 遷移確率 / 配置間相互作用
研究概要

本研究では,汎用性のある多重項の第一原理計算プログラムの開発および,その応用としての,酸化物中の遷移金属イオンにおける多電子系電子状態の詳細な解析を行った。
酸化物中に遷移金属不純物が固溶した物質は,多重項間の遷移を利用してレーザーなどの光学材料に応用されているが,対称性の低い系にも適用できるような多重項の一般的な解析方法はこれまで存在しなかった。平成9年度には,DV-xα法により計算した分子軌道を用いて多電子系の波動関数を構築し,これらを基底として多電子系のハミルトニアンを対角化する事により,多重項のエネルギーを第一原理計算から求めるプログラムの開発を行い(Discret Variational-Multielectron Method,DV-ME法),比較的対称性の低いAl_2O_3中に固溶した,Cr^<3+>,V^<3+>イオンについて,不純物準位の波動関数の空間的な広がりや歪みが多重項構造に与える影響を定量的に評価することが出来た。
本年度は,相対論効果を考慮した計算および光学スペクトルの強度計算を行うために更にプログラムの拡張を行った。また,電子相関の効果を定量的に評価する手法の考案も行った。相対論効果を考慮した計算では,YAG中のNd^<3+>イオンの多重項における基底状態のスピン-軌道相互作用による分裂を定性的に再現した。また,強度計算のプログラムにより,電気双極子遷移が支配的なZnO中のCo^<2+>イオンの光学スペクトルを第一原理計算により,定量的に再現することができた。更に,この計算によって得られた多電子の波動関数を詳細に解析することにより,光学スペクトルに大きく影響を及ぼす配置面相互作用の大きさを,定量的に評価することができた。

研究成果

(3件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] K.Ogasawara: "Analysis of Comlent Effects on the Multiplet Structure of Ruby Based on First-Principles Cluster Calculations" Jpn.J.Appl.Phys.37. 4590-4594 (1998)

  • [文献書誌] K.Ogasawara: "First-Principles Calcalation of Multiplet Structures Including Electron Correlation Effects" Bul.Soc.Discrete Variational Xα. 11. 175-177 (1998)

  • [文献書誌] K.Ogasawara: "Calculation of Multiplet structure of Ruby Using Explicit Effective Hamiltonian" Trans.JIM. (in press).

URL: 

公開日: 1999-12-10   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi